石綿の歴史 ①
こんにちは!サクセスです。
今日は石綿の歴史についてお話したいと思います。
アスベストはいつ頃から使われていたのですか?
その歴史はかなり古く、紀元前2000年以前にイタリアで発見され世界中で使われていたことが分かっています。
日本では「竹取物語」の中で描かれている燃えることのない「火鼠の皮衣」がアスベストであったと推測されています。
また、平賀源内が秩父の山の中で発見し、「火浣布」(かかんぷ=火で洗える布)と名付けて幕府に献上したものものちにアスベストであったと判明しています。
古代エジプトでは、遺体を包む布(ミイラに巻かれている布)として
古代ローマでは、ランプの芯として使われるなど、長い歴史の中で重宝
されてきました。
なるほど・・・
質問ですが、使用用途が様々ですが
石綿にはどんな特徴があるのですか?
石綿の特徴
① 耐火性・電気絶縁性を有する
燃えない、電気を通さない
② 耐薬品性・耐熱性・耐候性に優れる
薬品や熱に強く長持ちする
③ 引張強さ・可撓性・耐磨耗性に優れる
切れにくく、摩擦に強い
④ 加工性・親和性に優れる
加工しやすく、他の材料ともなじみやすい
⑤ 経済性に優れる
安価である
このような特徴を持つアスベストは、加工がしやすく安価な事から多くの建築物や建材に使われてきました。
石綿は建築物等でどのように使用されているのか
① 吹付けアスベスト
アスベストとセメントとを一定割合で水を加えて混合し、吹き付け施工したものです。
耐火被覆の目的として、鉄骨造建築物のはり、柱等へ吹き付けてあります。
使用期間は、昭和38年頃から50年初頭までです。
吸音・断熱用の目的として、ビルの機械室、ボイラー室、地下駐車場等の他、学校、体育館、
工場等の天井、壁などに使用されています。
使用期間は、昭和31年頃から50年初頭までです。
② 吹付けロックウール
昭和50年に吹付作業が原則禁止になってからは、吹付ロックウールに切り替わりましたが
昭和43年頃から55年頃までは石綿を混ぜて使用していました。
一部の工法(湿式)については、63年頃まで使用されていました。
使用目的や場所は吹付アスベストと同じです。
③ 保温材、耐火被覆板及び断熱材
石綿とその他の天然鉱物等を原料にして成形した珪藻土保温材、パーライト保温材、
石綿ケイ酸カルシウム保温材、バーミキュライト保温材や水練り保温材があります。
これらは、化学プラント、ボイラーの本体や配管の曲管部の保温に使われてきました。
他には、折板屋根裏打ち断熱材、煙突耐火被覆材、鉄骨部の耐火被覆材としても使用
されています。
④ アスベスト成形板(石綿スレート、パルプセメント板、石綿セメントサイディング等)
成形板には、平板又は波板状のものがあり、最も代表的なものが石綿スレートです。
防火性、耐水性等に優れた性能を持つことから、建物の外壁、屋根をはじめとして
広い範囲で使用されています。さらに、化粧を施したものや軽量化したものなど、
多くの石綿スレート関連製品があります。
安価で扱いやすい石綿は
「魔法の鉱物」と呼ばれ多くの建築物や建材に使用されてきました。
少し長くなってしまいましたので
今日はここまでにします。
次回は、石綿が日本で使われ始めたのがいつ頃からなのか
などについてお話したいと思います。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。